先日、近隣のトマト農家の方から加工依頼がありました。
今年は豊作で市場に出しても値が付かないとのことです。
困りましたよね。恐らく柚子も今年は豊作です。
加工品への需要というのは、凶作の時よりも豊作の時に出ると思っています。
農家にとって、凶作は大打撃ですが逆に豊作でも打撃なのです。
前に放送していたキャベツを収穫せずに畑に放置していたニュースは今でも忘れられません。豊作年の悲しいニュースでした。
加工依頼をくれた方は、頭が柔らかいと思います。チャレンジ精神があり素晴らしいと思います。
実のまま売る事もひとつの方法ですが、トマトを買う時にどこの農家のトマトか気にするでしょうか。
トマトジュースであれば表示次第で、生産農家が主役になれます。
言うまでもなく、名刺を作るより強い自己紹介になりますね。
さて、実際にトマトジュースを造ってみました。

特別な品種のトマトではありません。
よく加工用トマトとか言いますが、そんなものは必要ありません。大切な事はきちんと造ることです。
濃縮還元てなんでしょう。そういう危険な技術を使わずとも、純粋に搾ったままのそのまんまトマトジュースが一番美味しい。
今回は試作なので塩分を調整して造りました。
塩分不使用品・0.2%・0.3%と3種類です。
塩は「海の精」言わずとも知れた安心出来る自然塩です。
味は今まで飲んだことのない素晴らしいものでした。すごくワクワクしました。驚きました。
ですが、家に帰ってガッカリもしました。
何の工夫もなく造ったトマトジュースが極上の味だったのです。
今の技術って美味しいものを造る為のものなのでしょうか。なぜもっと大きく素晴らしい機器や設備を持っているところのジュースは美味しくないのか。
濃縮還元て何だろうか。
物造りのアンテナがブレていたらいいものは造れません。
1に安全2に美味しさです。
我々の造るものはコストが掛かるかもしれません。でもそれは優先順位の1や2がお金ではないからです。
どちらが正しいのか私には分かりません。
ただこの悩みだけが唯一の答えだと思っています。
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